宮崎 真
研究概要
本研究室では、心理物理学的測定法と脳機能測定法 (機能的磁気共鳴画像、脳波、経頭蓋磁気刺激など) を用いて、人間の知覚・認知・行動を織り成す脳の仕組みを研究しています。現在、「身体」、 「時間」、「不確定性」といったトピックを軸に基礎研究を進めながら、教育、産業、医療分野との連携を展望しています。
身体
私達の知覚、認知、運動行為の基軸には身体があります。私達は身体運動を介して環境と相互作用します。そして、その背景では、身体知覚も柔軟に変化しています。本研究室では、いかなる神経機序により、身体知覚の適応性が実現されているのかを探究しています。また、「道具の身体化」をコンセプトに、使い易い工具、スポーツ用具、義肢の開発などへの研究成果の応用も目指しています。
時間
過去の記憶、未来の展望、歩行、ボールのキャッチングなど、時間は、日常の多様な局面で私達の心的・身体的活動に関わっています。その多様な時間スケール (日、時間、分、秒) に応じて、関与する脳部位も異なると考えられています。本研究室では、そのうち、 “現在” や “瞬間”を表すような短時 (e.g., < 0.1秒) の知覚や行動に焦点を当て、研究を進めています。
不確定性
私達の生活する実環境は変動に満ちています。本研究室では、私達の脳が、その変動からもたらされる不確定性をどのように克服し、精緻で安定した認識と行動を実現しているのかを探究しています。その機序や原理が明らかとなれば、スキルトレーニング法、ヒューマンエラー防止技術、ロボット制御技術などの発展ための基礎知見となることも期待されます。
教員/研究室の独自ページ
心理物理学: 感覚入力と主観的経験/運動出力の関係を明らかにする
理論モデリング:心理物理学的現象を説明できる理論の構築
脳機能測定:心理物理学的現象と関連する脳活動を捉える