笹原 恵
研究概要
私たちは日々、メディアを通して多くの情報を受け取っています。しかし現地に行って、直接自分自身の目で確かめることや、直接人に会って話を聞くことは、それとは違う側面から物事をとらえる機会になります。笹原研究室では、インタビューやアンケート調査といった社会調査の手法を用いて、人と人とをつなぐ、また私たちを幸せにする情報のあり方(情報共有など)や人々の共同性のあり方についての社会学的研究を行っています。
ジェンダーの社会化に関する研究
人は生まれながらにして女性・男性としての振る舞いや意識を身につけているわけではなく、生まれてから、社会の中で、親や周りの大人、地域や学校、メディアなどによって女性であることや男性であることを学びます。この、人が女性になる・男性になるプロセスに影響を与える情報やコミュニケーションについて研究をしています。また性が社会文化的に作られる(ジェンダー)側面だけではなく、自身の性についての認識や好きになる性を意味するセクシュアリティの問題も合わせて分析しています。
女性労働者と労働組合についての研究
2013年の15歳以上の女性の労働力率は約43%であり、沢山の女性たちが働いていますが、その多くはパートや派遣労働者といった非正規の働き方をしており、給与など待遇面で男性よりだいぶ劣位に置かれています。また労働条件をよくするための労働組合においても女性の発言権はまだ大きくなく、また非正規労働者の組織化は端緒についたばかりです。そのため、女性労働者がどのようにして労働組合に参加しているのか、労働組合はどのように女性労働者を位置づけているのかなどを研究しています。
コミュニティと地域自治・家族に関する研究
情報化が進展しても、私たちの生活の場はやはり「地域」です。地域における人々のつながりが希薄化していると言われていますが、最も小さな社会単位である家族をはじめ、自治会や年齢階梯集団(子ども会、老人会)、地域組織、NPOなどがコミュニティ形成のために果たしている役割を研究しています。また浜松まつりのような地域行事についても分析を進めています。
教員/研究室の独自ページ
保育園での調査 女の子も男の子も宇宙飛行士のコスチュームで誕生日を祝う
中ノ町の「伊豆石の蔵」を見る 天竜川沿いにある中ノ町には、明治期、製材工場が立ち並んでいた
浜松まつりの調査 初子祝いの大凧をあげ、地域の子どもの誕生を祝う肴町の人たち