情報学部のあゆみ

静岡大学情報学部は、国立大学で初めて「情報」を冠した学部である。教養部の廃止に伴い、福祉系新学部や国際系新学部などが検討されたが、最終的には、工学部情報知識工学科(1995年のみ知能情報工学科)と教養部の人文社会系教員を中心に、1995(平成7)年10月に情報学部の設置に至っている。 ...
創設に際し掲げられた理念は、「情報技術と人間が融合・調和する情報社会の実現」であり、これを現すように、情報知識工学科を母体とする工学系の「情報科学科」と教養部文系教員が中心となった人文・社会系の「情報社会学科」の二学科体制であった。1995(平成7)年はマイクロソフト社が「ウインドウズ95」を発売した年であり、インターネットが急速に普及する節目の年でもあった。
学部組織は1995(平成7)年10月に発足し、入学試験の実施を経て、翌1996年4月に一期生200人(情報科学科100人、情報社会学科100人)を受け入れている。教養部があった時代は、静岡大学の1、2年生は全員が静岡キャンパスで学んでいたため、工学部の学生も、1,2年生は静岡キャンパスで学び、3年生から浜松キャンパスに移るというスタイルであった(2-2体制)。情報学部も発足当初は、浜松キャンパスに十分な建物がなかったこともあり、1年生は静岡キャンパスで学び、2年生になる際に浜松キャンパスに移るという形であった(1-3体制)。工学部では1985(昭和60)年から浜松キャンパスでの四年一貫教育の実現を希望していたが、文系教員が皆無の浜松キャンパスでの実施は困難で長年の課題となっていた。それが、文科系学科を含む情報学部が浜松キャンパスにできたことにより、また情報学部が浜松キャンパスでの一貫教育体制に賛同したこともあり、2000(平成12)年度から、浜松キャンパスでの四年一貫教育(いわゆる0-4体制)が実現したのである。
創設時から、情報学部のカリキュラムは、低学年に学部共通科目として、情報科学や情報社会学にかかわる基礎的な技能と知識に関する必修科目群を配しており、それが「文工融合」の基本となっていた(現在でも、学部共通科目にはこの理念が活きている)。
学部設置から4年が経ち、第一期生を送り出した2000(平成12)年度に、最初のカリキュラム改編がなされた。ポイントは、情報社会学科の学習領域を4分野(文化とコミュニケーション、メデイアと社会、地域社会と情報、情報マネジメント)とし、学生が学問体系を意識した履修ができるようにした点と、情報科学科では企業実務を行う実務実習(インターンシップ)を取り入れ、社会との関連をより体験的に学ぶ機会を設けたことであった。
2004(平成16)年度には、文工融合をさらに推し進めるために、それまでのカリキュラムを再編し、1学部2学科3プログラム制を導入した。3プログラムとは、計算機科学プログラム(CS: Computer Science)、情報システムプログラム(IS:Information System)、情報社会デザインプログラム(ID:Information Society Design) である。
CSプログラムは、旧カリキュラムでJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受けた計算機科学コースのカリキュラムを受け継ぎ、計算機科学の基礎力を身につけた上で、高度なコンピュータシステムの開発能力を養成することを目的とするものであった。ISプログラムは、情報技術の基礎力を前提に、企業や官公庁等の組織における情報システムの設計・構築・運用能力を養成することを目的とするものであった。またIDプログラムは、情報社会を分析・評価する基礎力を前提に、情報社会の在り方をデザインする能力を養成することを目的とするものであった。
入学時は情報科学科、情報社会学科という2つの入口であるが、2年生に進学する際に、情報科学科からはCSプログラムとISプログラムに、また情報社会学科からはIDプログラムとISプログラムに進むことができるというのがこの2学科3プログラム制の特徴であった。つまり、ISプログラムには両学科から学生が進むことになり、そこで文工融合が実現したわけであり、またCSプログラムやIDプログラムの学生も、他プログラムで開講されている科目を履修してそれを卒業要件に加えることができるという、プログラムを超えた多様な履修が可能となったのであった。この3プログラム制による情報学教育は、文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム(GP)」に採択され、新しい教育システムづくりが一段と加速された。なおこの特色GP の採択は本学で初めての採択であった。
2013(平成25)年度に始まった静岡大学組織改革の一環として、情報学部でも、新学科設立が検討され、2016(平成28)年、3プログラムのうちのIS(情報システムプログラム)を新学科とすることになり、行動情報学科が設置された。それまでは情報科学科100人、情報社会学科100人、計200人の学生定員であったが、入試状況もふまえ、情報科学科100人、情報社会学科70人、行動情報学科70人の総計240人定員となった。

学部長あいさつ

静岡大学情報学部 学部長
小西 達裕
静岡大学情報学部は、日本の国立大学で初めての情報学部として1995年10月に創設され、今年で30周年を迎えました。創設当初は情報科学科・情報社会学科の二学科で出発し、2016年には行動情報学科を新設して三学科体制へと発展しました。さらに2025年には大学院に2コースを設置し、実務家教員による講義、地域連携インターンシップ、PBL(課題解決型学習)を核とした新たな教育体制を開始しています。
浜松キャンパス共通講義棟は2017年10月に運用を開始しました。卒業生・在校生、保護者の皆さま、関係企業、学内関係者からのご寄付により講義室の教育環境が整備され、現在は講義に加え、各種研究会・全国大会・地域連携イベントなど多目的に活用されています。
2025年には、数理データサイエンス・AI教育プログラムの一環として、NVIDIA H200 NVLを搭載した高性能GPUサーバを導入しました。生成AIをはじめ最先端分野に対応した教育・研究環境が一段と充実する一方、維持には多くの電力と費用を要します。学生が新しい環境を最大限に活用できるよう、引き続き皆さまのご支援を賜れますと幸いです。

情報学部30周年ご寄付のお願い

次の未来へ、皆様のご支援を お願いします

情報学の未来を切り拓く学生たちの学びを支え、新しい知識と実践が生まれる場をともに創るため、皆さまからのご寄付を募ります。 頂いた寄付金は、学部の歩みを次世代へつなぐとともに、生成AI等の最先端分野に対応する先端教育・研究環境の整備、就職・進学支援、Learning Commons の充実などに活用いたします。
ご寄付の方法
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寄附項目欄で「情報学部30周年記念事業」をお選びください。
「静岡大学未来創成基金」への個人からのご寄附は、所得税法上の寄附金控除の対象となる 特定寄附金(所得税法第78条第2項第2号)に指定されています。 詳細はこちらをご参照ください。
対象事業
情報学部30周年記念事業(学部・附属学校園等支援事業/情報学部・総合科学技術研究科〈情報学専攻〉)。 テーマ「情報学の未来を切り拓く」のもと、学部の歩みを整理し、学生の学びと実践の拠点整備に充当します。
