平成29年度の取り組み
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アイデアソン、ハッカソン [観光に関連するデータでアプリを作ろう〜静岡県オープンデータの利活用〜] 開催
静岡大学情報学部が静岡県と共に主催して、[観光に関連するデータでアプリを作ろう〜静岡県オープンデータの利活用〜] と題して、2017(平成29)年10月28日(土)にアイデアソンを開催いたしました。情報学部と静岡県が主催し、浜松市が共催しました。アイデアソンはアイデアのマラソンです。静大生30名が参加しました。今回は、観光についてどのようなアプリがあれば良いかについて、参加者が知恵を絞ってアイデアを競いました。アイデアソンの参加者は2017(平成29)年12月2日(土) にハッカソンを行います。ハッカソンは情報技術を競うマラソンです。ハッカソンではアイデアソンで発案したアイデアを形にします。どこまで動くようにするかは参加者に任されています。
学生たちは、このイベントに参加することによって、時代が求めるデータ活用能力、アプリ制作能力、地域社会への貢献力を、同時に身につけます。
自分で考えたテーマで発表しあう15分間「□の◯を△する」(2017年10月28日)
アイデアを検討する学生、見守るスタッフ(2017年10月28日)
作業に集中する学生たち(2017年10月28日)
学生たちの発表風景(2017年10月28日)
小学校教員へのプログラミング研修会
地域連携推進室は、小学校教員を対象としたプログラミング教育のための研修を実施しています。2017(平成29)年度は、浜松市教育委員会の後援で、8月19日(土)の朝9時から午後4時まで行いました。また、2018(平成30)年1月には17日(水)と24日(水)の2回に分けて合計5時間程度の研修を行いました。講師は地域連携推進室の遠山紗矢香特任助教です。2020(平成32)年度より全面施行が予定されている次期学習指導要領は小学校教育課程にプログラミングを導入しています。小学校の現場ではプログラミング教育への対応が大きな課題になっています。しかし、プログラミング教育が、他の学習内容と同様に「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指していることや、論理的思考力の育成を目指していることは注目されにくく、プログラミング技術(いわゆるコーディング技術)の向上に関心が向かう傾向があります。この研修はプログラミング教育について、次期学習指導要領の考え方や国際的な動向を紹介する一方で、小学校の授業でも実現可能性の高いプログラミング教育を体験してもらいました。体験ではグループワークを取り入れた教材を用いました。研修を通じて、プログラミングを用いた新しい教育方法の在り方について議論を深めることができました。
グループワーク中の指導風景(2017年8月19日)
講義風景(2017年8月19日)
小学校でのプログラミング教育の実践
浜松市立追分小学校の依頼で、小学校5年生と6年生を対象に、Scratchを使ったプログラミング教育を実施しました。実施にあたり、ボランティアとしてプログラミング学習経験のある学部生と大学院生をスタッフとして募集し、スタッフにScratchの事前講習を行いました。また、授業を行う前に、プログラミング教育の理念を理解していただくために、追分小学校の先生方を対象にプログラミング教育に対する考え方を事前説明しました。
プログラミング教育は、「プログラミング的思考」の育成を目指すものであり、プログラミング言語を覚えて、プログラミングの技能を習得することは目的ではありません。文部科学省が考える「プログラミング的思考」は「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要か、どのように改善していけばより意図した活動に近づくのかということを論理的に考えていく力」です。探究的な学習の中にプログラミングを位置づけることによって、「主体的・対話的で深い学び」も実現しながら論理的思考力を身に付けることが、プログラミング教育によって目指されています。
本実践では上記のねらいに資するため、「ジグソー法」を用いた協調的なプログラミング教育を試行しました.試行の結果、子ども達の8割が「プログラミングは難しかった」と回答する一方で、子ども達のほとんどが「プログラミングは楽しかった」と回答する主観評価が得られました。さらに、子ども達同士が話し合いながら問題を解決したり、プログラムをより良く作り変えたりする活動が観察されました。
スタッフの事前講習:5月18日(木)、5月25日(木)
教員対象の事前説明:6月13日(火)
プログラミングの授業:
5年生:6月15日 (1コマ、45分) 13:15-
6月22日 (2コマ、90分) 13:35-
6年生:6月29日 (2コマ、90分) 13:35-
7月13日 (1コマ、45分) 13:15-
IT教育支援ボランティア活動
情報学部は、地域連携推進室が誕生する前から、浜松市内の小中学校からの依頼を受けて、小中学校へIT教育を支援するための学生ボランティアを派遣してきました。この活動を基盤にして情報学部に地域連携推進室が誕生しました。平成29年度も引き続きこの活動を推進しました。追分小学校・西都台小学校・広沢小学校からの依頼を受けて、前期・後期それぞれにおいて学部生を派遣しました。お昼休みの時間に解放されたPC教室で、子どもたちは年末年始にかけてはカレンダー作り、その後カルタ作成に取り組みました。ボランティア学生は子ども達の活動を支援し、できあがったものを使って子ども達と交流しました。
平成30年度も2小学校からボランティア希望があり、学生を派遣する予定です。
『情報学部公開講座』の開講
市民の方々に、情報学部の文工融合型の研究と教育を広く知っていただくため、毎年11月に開催されるテクノフェスタにあわせて情報学部公開講座を開講しています。講義内容は、情報学部の文工融合教育をミニ体験できるように、情報学部の各学科の教員がミニ講義とパネルディスカッションを行い、聴講者の質問に答えます。
2017年度は、「人工知能が拓く明日のくらし」をテーマにして、11月11日(土)に開催しました。来場者の皆様からは好評を得ました。
【ミニ講義の担当教員】
- ・情報学部 情報社会学科 准教授 中澤 高師 (迷惑施設問題、合意形成問題、環境社会学、環境政治学)
演題「オンライン議論システムを用いた対立的状況解決の支援」 - ・情報学部 行動情報学科 准教授 狩野 芳伸 (自然言語処理、人工知能、対話システム、テキストマイニング)
演題「人間と協調する知的システムの仕組み」 - ・情報学部 情報科学科 准教授 木谷 友哉 (ITS(高度交通システム)、自動二輪車、センサーネットワーク、データ科学)
演題「これからの高度交通システムと高精度測位社会」
【コーディネーター】
- ・情報学部 情報科学科 教授 西村 雅史 (音情報処理、音声認識・対話、多人数インターラクション、高齢者・障害者支援技術)
パネルディスカッションの様子はこちらをご覧ください。
浜松南高等学校の理数科教育への協力
浜松南高等学校の理数科2年生を高口鉄平准教授と西田昌史准教授の研究室が受け入れて、定期的に生徒たちの理数科に関する課題研究を指導しました。
静岡県教育委員会主催高校生アカデミックチャレンジ事業
静岡県教育委員会と連携して、高校生にアカデミックな雰囲気の中で研究活動を体験させる高校生アカデミックチャレンジ(工業)"チャレンジラボ"が、情報学部で行われました。8月22日(火)、8月23日(水)、8月24日(木)の3日間、李皓准教授が指導しました。
情報オリンピック日本委員会主催の地域密着型学習支援策「レギオ」
レギオとは、情報オリンピック日本委員会が主催する講習会です。この講習会では、情報オリンピックの予選参加を目指す高校生に対して、プログラミングとアルゴリスムの基礎的なトレーニングを行います。
今年度は、入門編を2017(平成29)年8月7日(月) 9時30分〜12時00分 に開催しました。台風の影響で午後の講習会は休講となりましたが、浜松工業高校生19名が参加しました。また、初級編を 2017(平成29)年8月21日(月) 9時30分〜17時40分に開催しました。同様に,浜松工業高校生20名が参加しました。本講習会の講師は、本学部の小暮悟准教授が担当しました。
演習風景(2017年8月7日)
その他の関連事業
ICT親子セミナーへの出展
峰野研究室がICT親子セミナーへ出展しました。このセミナーは小学生の親子を対象にして静岡市が企画したもので、2017(平成29)年8月6日に開催されました。峰野博史准教授は、人工知能の現状や可能性を分かりやすく説明した後、人工知能の基本を子供達に理解させるために、飲料を飲むときの喉の音を測定して、飲んだ量を推定する実験を行いました。実際に飲んだ量と飲んだとコンピュータが推定した量には誤差が出ましたが、なぜ誤差が出るのかについて解説がありました。子供たちはこの解説を聞きながら、人工知能を作るための試行錯誤や、データをたくさん集めることの重要性を学んでいました。峰野研究室のブースは他の出展よりも小学生の数が多く楽しそうでした。
人工知能についての講義風景(2017年8月6日)
小学生たちの実験風景(2017年8月6日)
浜松ITキッズプロジェクトの後援
浜松ITキッズプロジェクトは、浜松市が「学術都市+IT都市」として発展するために、市の将来を担い、地域産業の発展に貢献する人材を育成するために行われています。静岡大学情報学部はこのプロジェクトを後援しています。
浜松市立水窪中学校の総合学習サポート事業「水窪ガイドブック合同制作プロジェクト」
杉山岳弘研究室では、平成29年度の静岡大学地域連携応援プロジェクトにおいて「浜松市立水窪中学校の総合学習サポート事業『水窪ガイドブック合同制作プロジェクト』」の活動を行っています。この活動では、水窪中学校の総合学習の時間に、企画、取材、撮影、仕上げ、印刷までを杉山研究室の学生がサポートしながら、中学生徒が中心となって水窪のガイドブックの制作・発行を行います。今年度は、水窪中学校に5回程度訪問します。水窪ガイドブックは年度末に完成予定です。
三ヶ日町観光協会連携
三ヶ日町観光協会より依頼を受け、平成29年度から杉山岳弘研究室の学生が主体となり、観光資源の発掘や観光商品の開発に携わることとなりました。
学生らは3年間のフィールドワークを通し、三ヶ日町の観光資源の発掘、整理を手始めに、資源の商品化やPRにも取り組みます。今後は、月に1回程度会合を開き、観光や商店といった地元関係者らとの意見交換を行う予定です。
「はままつ人づくりネットワークセンター」への協力
情報学部は、浜松市教育委員会の「はままつ人づくりネットワークセンター(外部サイト)」に登録して、市民協働の人づくりに参加しています。提供している講座はこちら(外部サイト:PDF)をご覧ください。
秋田県議会「教育公安委員会」視察
2017(平成29)年11月7日(火)に秋田県議会「教育公安委員会」の議員団(議員6名,書記4名)が情報学部を訪れました。議員団が情報学部を訪問した目的は、小学校に導入されるプログラミング教育に対する情報学部の対応を調査するためでした。秋田県議会が情報学部を訪問したのは、情報学部について国立大学初の情報学部としての実績を評価したためでした。地域連携推進室から情報学部における小学校へのプログラミング教育への対応を説明した後、議員団から活発な質問や意見があり、地域連携推進室にとっても大変有意義な時間になりました。
また、懇談後に、議員団は施設見学をしましたが、アクティブラーニングを活用した授業を見て、感心して帰って行かれました。学生の様子を熱心だと指摘する議員がいました。
アカデミック・カフェ
2017(平成29)年11月12日(日)に「アカデミック・カフェ ロボットと共生する情報社会」を開催しました。この公開講座は、受講生がほぼ一方的に講師の話を聞く講演会ではなく、4名のパネラーが問題提起をして、それを基に参加者が互いに意見交換をする近年流行のカフェ形式をとりました。パネラーの報告とフロアからの質疑応答はそれぞれ同じ時間を使いました。事前予約制ではなく、テクノフェスタの会場の一角で実施したため、受講者数が途中で増減しましたが、後半の1時間は講師と受講者が活発に意見を述べあいました。公開講座の用語として講師、受講生という言葉を使っていますが、講師も受講生も一人の参加者として互いの意見を交換することによって新しい知を作り出すことが、カフェ形式の公開講座を開いた目的でした。
このアカデミック・カフェは、前日に行われた地域連携推進室の公開講座「人工知能が拓く明日のくらし」を受けて、人工知能を搭載したロボットに焦点を当てて、パネラーである講師と受講者の双方向的な公開講座を実践した画期的な企画でした。参加者全員が対等であるカフェ形式であるがゆえに、学生が講演をして問題提起をするという画期的な試みができました。公開講座の受講者には学長名の受講修了証が発行されるのですが、最後まで残られた受講者はどなたも修了証を辞退されましたので、是非とお願いして、受け取っていただきました。
【パネラーと講演タイトル】
- ・中澤高師(情報社会学科 准教授)「ロボット・AIと音楽」
- ・吉田 寛 (司会兼務)(情報社会学科 教授)「ロボットに心はあるのか」
- ・加藤史也(情報社会学科 2年生)「会話するロボットと大学生」
- ・岡田安功(情報社会学科 教授)「ロボットがツイッターで人を侮辱したら」