新谷 誠
研究概要
情報科学に関連した離散的な数理構造(グラフ、組合せデザイン、誤り訂正符号)の研究を行っています。離散的な数理構造の性質を調べて、具体的にそれらを構成すること、分類することに興味があります。コンピュータによる計算を利用して新しい発見をすることを目標としています。
グラフ
点とそれらを結ぶ辺からなる図をグラフといいます。例えば、各都市を点とし、各都市間に飛行機などの移動手段があるときに2点を辺で結んだ図がグラフです。すべての都市をちょうど一回ずつ巡り出発地に戻ることができるかというハミルトン閉路問題が有名です。それ自身はハミルトン閉路を持たないが、任意の1点を取り除くとハミルトン閉路を持つグラフの存在性に興味があります。また、正多面体のように対称性の高いグラフにその性質の美しさから興味があります。
組合せデザイン
統計的方法でソフトウエアテストを効率化したり、誤り訂正符号などへの応用があります。組合せデザインの存在性や誤り訂正符号との関連に興味があります。
誤り訂正符号
情報通信を行う際に通信路で発生するノイズを除去する方法の研究です。身近な所では、CD や携帯電話の通信で使われています。誤り訂正符号とは数理的に考えると、距離空間の中の点の集合で、通信路でノイズが発生するとはその点が本来の位置からずれることを意味します。ノイズを除去するとは本来の位置に戻すことになります。どの2点も最大のノイズの2倍より大きい距離だと正しく誤り訂正が可能です。情報技術への貢献度が大きいので興味があります。
数式処理ソフトウエアMathematicaで GraphData[”WieneArayaGraph”] で出力した。それ自身はハミルトン閉路を持たないが、任意の1点を取り除くとハミルトン閉路を持つグラフの例。
すべての線は3点からなり、どの2点もちょうど一つの線を通る。