許山 秀樹
研究概要
「ことば」を中心に研究しています。近年は、土地と文学の関わりを追い求めています。たとえば、和歌で言う「歌枕」のようなものを考えています。私達がある土地を見るとき、いろいろなイメージを持っています。たとえば浜松を例に挙げると、鰻・楽器・浜名湖・南アルプス・工業都市・太平洋・自動車など尽きません。しかし、文学の世界では、東海道を中心として、浜名湖・太平洋・富士山を風景に持つ雄大な土地として描かれています。中国ではこれを「詩跡」と呼ぶようになりました。
詩跡(歌枕)研究
ひとがその土地に懐くイメージとはどういうものか。それを文学の世界から解きほぐそうという試みをしています。たとえば、浜松。中部地方にある地方都市。それを文学の視点から見直すと、違う姿に見えてきます。
文献学
文献研究も行なっています。古い本がまだ残されていますが、私はそれに思い入れがあります。版本はいろんな歴史を背負って現代まで伝わってきました。刻本、活字本、石印本という印刷方法だけでなく、唐本、朝鮮本、和刻本という地域の区分もあります。
詩とことば
詩人とことばにもかねてから取り組んでいます。特に古典の典雅なことばの中にすこしずつ口語的表現が生まれていく過程、また、土地に対する表現が変わっていく過程を研究しています。特に以前は猖獗を極めたと思われた場所に移り住んだ詩人が新しい印象で詠みだしたことも指摘しました。
教員/研究室の独自ページ
石碑研究
いまでは少なくなった活字です。
詩跡研究(浜松の「赤壁」)