吉田 寛
研究概要
3つの分野を相互に連携しながら研究をしています。
ウィトゲンシュタインの言語についての哲学的な考察を参考に、情報技術による言語的処理に関わる諸問題を分析し、こうした分析を基盤に情報技術に対する社会的な対応としてガバナンスや技術者倫理の可能性を探っています。
・言語哲学やガバナンス論に基づく情報社会論・情報社会思想
・専門家と市民の協働を核にした社会づくりや地域づくり
・ウィトゲンシュタイン哲学を中心とする現代思想
言語哲学やガバナンス論に基づく情報社会論・情報社会思想
コンピュータによる記号処理によって構成されるヴァーチャルな世界とヴァーチャルな生。そこでの人びとの意識や文化。また、そういった社会における自由な思考と協働の可能性と課題といった観点で、情報社会を導く思想を研究しています。
・世界表象としてのビッグデータとビッグデータ・ガバナンス ~局所表象と分散表象の観点から~、社会情報学 3/3 113-126 (2017年)
http://www.ssi.or.jp/journal/pdf/Vol3No3paper7.pdf
・情報学部公開講座2016 「身体情報化, ポスト・ヒューマンの思想~管理と自由をめぐって~」
https://sutv.shizuoka.ac.jp/video/258/58
・『涼宮ハルヒ』の独我論(誌上シンポジウム『涼宮ハルヒの憂鬱』)静岡大学情報学研究 18/ 59-66 (2013年)
https://shizuoka.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=8773&file_id=31&file_no=1
専門家と市民の協働を核にした社会づくりや地域づくり
専門性のガバナンス論を中心として、協働による社会づくりを検討・提案しています。静岡大学と松崎町らとの連携プロジェクト「2030松崎ププロジェクト」に参加し、地元の中高や役場・観光協会らを含む地域の方々、学生や教員などの大学関係者、その他の企業や専門家らと協働で、持続可能な地域づくりの活動に参加しています。2021年の震災後には、被災地復興に参加しガバナンス論に基づく協働のまちづくりの提案をしました。
・共著:「服部哲・松本早野香・吉田寛 [担当範囲] 「思い出」をつなぐネットワークからCommunity 5.0へ ――宮城県山元町の復興支援活動より」(『ともに生きる地域コミュニティ 超スマート社会を目指して』(横幹<知の統合シリーズ>)、東京電機大学出版局 (2018年))pp.57-74
https://www.tdupress.jp/book/b375526.html
・共編著:『「思い出」をつなぐネットワーク 日本社会情報学会災害情報支援チームの挑戦』、昭和堂 (2014年)、柴田 邦臣,吉田 寛,服部 哲,松本 早野香(担当:第2章・第5章-1)
https://www.amazon.co.jp/dp/4812214025
ウィトゲンシュタイン哲学を中心とする現代思想
ウィトゲンシュタインの言語と生に関する哲学を展開して現代思想、とくに現代の社会思想を検討します。言語の限界、言語を支えるものについての考察は、情報社会を言語的な観点から考察する際の手がかりになると考えています。
・共著:「はしご」としての『論考』の読み方と哲学の可能性 (『これからのウィトゲンシュタイン --刷新と応用のための14編--』リベルタス出版 (2016年)、荒畑靖宏,山田圭一,古田徹也編著)担当:pp.19-32
http://www.libertas-pub.com/common/data/978_4_905208_05_1.html
・単著:『ウィトゲンシュタインの「はしご」――『論考』における「像の理論」と「生の問題」』、ナカニシヤ出版 (2009年)
http://www.nakanishiya.co.jp/book/b134650.html
教員/研究室の独自ページ
ガバ研wiki:研究室を拠点にした自主ゼミ等の活動のページ
http://www.goverken.info/wiki/
Blog2735:吉田の授業コンテンツなどを掲載
https://blogs.yahoo.co.jp/blog2735
ある年のゼミのメンバー:
卒研ゼミではそれぞれが自分なりのテーマを持って、テキストを読んだり調査を進め、それを発表・検討して、広げたり深めたりしていきます。
自主的な学びを尊重していて、誰にでも参加オープンな学生主体の自主ゼミ「ガバナンス研究会」も2006年から続けています。
卒業後も研究や社会活動に関わりつづける文化を大切にしています。
大学祭に出展したカフェ風景:
学生らと「情報学部珈琲研究会」を結成し、2012年度より機会あるごとに学内外の開かれた知的交流の場を創出し続けています。ふだんのカフェのほか、オープンキャンパス、情報学シンポジウムやテクノフェスタといった大学のイベントにも参加・協力してきました。
「カフェ」はオープンで水平的な対話とネットワークの機会であり、情報社会の理念実現の活動実践・研究と位置付けて取り組んでいます。
テクノフェスタ2021「カフェ・インフォーマティックス」:
秋元研と合同でオンライン対話を行いました。
座談会:気になる交差点と空間分布
対話②:人はなぜ死を恐れるのか?
対話③:自動運転は人びとの幸福につながるか?