2021.07.05情報学専攻2年 藤浪一輝君(峰野研)がDICOMO2021にて優秀プレゼンテーション賞を受賞
お知らせ詳細
受賞した研究発表は以下の通りです。
“栽培データの分布不均衡性を考慮した植物生理状態推定の検討”
藤浪一輝, 大石直記, 二俣 翔, 峰野博史
<概要>
農業従事者の不足や技術の消失といった課題に対して,スマート農業の実現に向けた取り組みが行なわれている.スマート農業の一環として栽培管理支援システムの開発が進められており,光合成速度や蒸発散速度といった植物の生理状態を表す指標を推定する技術が期待されている.機械学習を用いる手法の課題として栽培データの不均衡性問題があり推定精度の低下が危惧され,リサンプリング処理を適用しデータ分布を変化させることで推定精度の向上を図る手法が提案されている.しかし,回帰問題に対する不均衡性を対象とし適用可能な既存のリサンプリング手法は少なく,既存手法では目的変数の不均衡性のみに着目しており説明変数の分布を考慮していないことで,一部の環境条件の情報を失う可能性があった.そこで,目的変数と説明変数の両方をクラスタリングし,各クラスタにリサンプリングを適用することでクラスタ間のデータ数が均等になるよう変換し,各環境条件の情報を保持したまま不均衡性を解消するリサンプリング手法を研究開発した.実栽培のイチゴの光合成速度と蒸発散速度について既存手法と推定精度の比較検証を行ったところ,リサンプリングを行わない場合の結果と比較して既存手法よりも高精度に推定可能なことを確認した.
本研究は,静岡県農林技術研究所ならびにJST創発的研究支援事業(JPMJFR201B)の支援を受けたものである.データセットの提供および農学的知見を支援いただいた静岡県農林技術研究所の皆様に感謝いたします.
なお詳細については、以下をご覧下さい。
情報処理学会 マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2021)シンポジウム
表彰
(http://dicomo.org/commendation/)