2022.06.13安藤瑠称さん(情報学専攻)の義手開発に向けた研究の成果が科学新聞,Science Japan等で紹介
お知らせ詳細
安藤瑠称さん
▶科学新聞2022年4月29日6面
『義手が重いと運動軌道高く 使いづらさを生み出す原因解明 腕に重り 健常者20人が実験参加 静岡大』
▶大学ジャーナル2022年4月5日配信
腕は重くなると高い軌道で動く、義手の使いづらさ解明へ静岡大学が実験
https://univ-journal.jp/151004/
▶Science Japan 2022年6月7日配信
『Heavy prosthetic arms create high trajectories of motion: Shizuoka University clarifies the causes of usage difficulties』
https://sj.jst.go.jp/news/202206/n0607-03k.html
▶客観日本2022年5月20日配信
『静冈大学明确义手难用的原因:沉重导致运动轨迹变高』
https://www.keguanjp.com/kgjp_keji/kgjp_kj_robot/pt20220520000002.html
<論文刊行情報>
本成果はSpringer Nature社 (独・英) の刊行する Experimental Brain Research に掲載されました。
https://link.springer.com/article/10.1007/s00221-022-06350-6
<本成果の概要と意義・展望>
近年,機能性の高い義手の開発が発展する一方で,義手使用を中断してしまう人が少なくありません。その原因は,義手の重さにあると考えられています。本研究グループは,義手の使いづらさの実際の原因を解明するための第一歩として,腕におもりをつけたとき,その重さが到達把持運動(目標とする物体に手を伸ばしつかむ動作)に与える影響を調べました。
主な実験結果として,おもりにより腕の重さが増したあと数回の到達把持運動を繰り返すと,直感とは逆に,その運動軌道は高くなることが分かりました。この軌道調整は,掴むべき物体がなく,ただ手を伸ばすだけの到達運動では確認されませんでした。高い運動軌道はより大きな筋出力を必要することから,そのような要因が前腕の重量変化を必要とする義手使用においても違和感や疲労をもたらしている可能性があります。
本成果は,ヒトの運動制御メカニズムの解明のみでなく,より使い易い義手開発や疲労時の事故防止など,人間の運動行動に関わる幅広い医療・産業技術の発展に寄与することが期待されます。
<静岡大学プレスリリース>
https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=8058