令和3年度の取り組み
地域連携推進室2021年度活動報告書.pdf
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- ・「情報学部公開講座 2021」の開催
- ・アイデアソン&データソン2021
- ・情報オリンピック日本委員会主催 地域密着型学習支援講習会「レギオ」
- ・浜松ITキッズプロジェクト
- ・天竜浜名湖鉄道フォント制作プロジェクト
- ・キャリア教育に対する協力(浜松市立追分小学校)
- ・静岡県校長会理事研修会
- ・浜松市立追分小学校での学生ボランティア活動
- ・掛川市教育委員会主催 令和3年度教職員指導技術研修
- ・静岡県教育委員会 ふじのくに学校教育情報化推進計画策定委員会
- ・スズキとの共同研究「“まぶしい”ときの脳活動」(宮崎真研究室)
- ・静岡県教育委員会主催 令和3年度GIGAスクール構想とICT機器を活用した授業改善実践研修
- ・静岡県教育委員会主催令和3年度小学校におけるプログラミング教育実践研修
- ・令和3年度磐周教育研究会情報教育研究部 夏季研究講座
- ・静岡聖光学院中学校・高等学校 ICT公開研修会
- ・情報処理学会 高校教科「情報」シンポジウム2021秋
- ・浜松市立雄踏小学校での学生ボランティア活動(オンライン)
- ・GIGAスクールの良さも課題も忘れない!ミニシンポジウム
- ・静岡県立浜松湖南高等学校との連携協定締結
- ・川根本町の観光地:寸又峡向けの「ナゾ解き」ゲーム実証実験と川根高校「情報」での交流
- ・「地域DX推進シンポジウム-コロナ禍を越えてその先へ。」の開催
- ・中高生向け競技プログラミング講座(浜松市と大学の連携事業)
- ・藤枝市主催プログラミングキャンプへの協力
- ・小学生を対象としたプログラミング講座の開催
- ・「ほそえで暮らそうマップ」制作プロジェクト〜在宅で暮らしを続けられる支援のための社会資源マップのデジタル化〜
- ・WRO Japan 2022 決勝大会
- ・情報学部の地域連携科目
『情報学部公開講座 2021』の開催
市民の方々に情報学部の文工融合型の研究と教育を広く知っていただくため、毎年11月に開催されるテクノフェスタにあわせて情報学部公開講座を開講しています。講義内容は、情報学部の文工融合教育をミニ体験できるように、情報学部の各学科の教員がミニ講義とパネルディスカッションを行い、聴講者の質問に答えます。
2021年度は新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、10~11月にオンラインにてオンデマンド動画を配信しました。テーマは「これからの教育と情報:オンライン授業と学習のありかた」です。コロナ禍で大きく変わった状況を踏まえ、学習環境と今後の教育の在り方を、各学科の教員がそれぞれの立場からお話し、議論しました。
【プログラム】
動画1 ミニ講義①「Withコロナ時代のオンライン授業」 宮崎佳典 情報科学科・教授 (専門分野:e-Learning、数学・英語教育用Webアプリケーション) |
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動画2 ミニ講義②「コラボレーションと学習の調整」 大島律子 行動情報学科・教授 (専門分野:学習科学、協調学習支援、協調学習とコンピュータ) |
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動画3 ミニ講義③「英語コミュニケーション能力を伸ばすオンライン授業」 大瀧綾乃 情報社会学科・講師 (専門分野:第二言語習得、外国語教育) |
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動画4 パネルディスカッション コーディネーター:狩野芳伸 行動情報学科・准教授 (専門分野:自然言語処理) |
アイデアソン&データソン2021
■主催:静岡大学情報学部地域連携推進室
■協力:静岡県データ活用推進課、浜松市広聴広報課
■参加者:19名(所属:情報学部、静岡文化芸術大学、浜松工業高校、島田商業高校、浜松市役所)
■コーディネータ:市川博之氏(静岡県ICTエキスパート派遣事業による派遣)
■日程
・7月4日(日)アイデアソン
・7月18日(日)データソン
■概要
- (1) アイデアソン
点群データをはじめとする3次元データの利活用をテーマとするアイデアソンを対面で実施した。シビックテックラボ代表の市川氏をファシリテーターとしてお招きし、VIRTUAL SHIZUOKAをはじめとする3次元データについて学習した後、その利活用方法についてアイデアを練り、高齢者と若者の交流促進、公共交通の運行状況リアルタイム配信等への利活用方法とそのために必要なデータの入手・加工・作成方法を検討した。 - (2) データソン
3次元データの利活用をテーマとするデータソンを対面で実施した。市川氏のファシリテーションのもと、7月4日のアイデアソンで提案された5つのアイデアについて、それぞれの実現に必要なデータを検証し、データの使用方法を考案した。最後に5つのデータ使用方法について発表と質疑応答を行い、審査員(本学教員と静岡県・浜松市職員)が審査した。審査結果は以下の通り。
最優秀賞:「とあるチャリ通高校生の安全確保」
▪ 点群データをはじめとする複数のオープンデータを高校生の自転車事故減少に役立てる方法の提案
特別賞:「何にも縛られない自由な人生!」
▪ 点群データを交通渋滞の解消に役立てる方法の提案
情報オリンピック日本委員会主催 地域密着型学習支援講習会「レギオ」
レギオとは、情報オリンピック日本委員会が主催している、情報オリンピックの予選参加を目指す生徒に対して、プログラミングとアルゴリズムの基礎的なトレーニングを行うための講習会です。2009(平成21)年度から開催されており、静岡大学情報学部では2013(平成25)年度から会場および講師を担当しております。
2021(令和3)年度はコロナ渦であることを考慮し2020(令和2)年と同様オンラインでの開催となりました。8月6日(金) に入門編、 8月23日(月) に初級編を開催しました。また2020年度までは静岡近辺での募集でしたが、オンライン開催であることから募集を全国で受け付けたところ、海外のスクールを含めた11の中学・高校から38名の受講をいただきました。講師は、情報学部の小暮悟准教授が担当しました。
本講座は2017(平成29)年から AtCoder社の全面協力のもと、AtCoderを用いたオンラインジャッジシステムを採用しています。情報オリンピック日本予選においてはオンラインジャッジシステムとしてAtCoderが採用されており、講習会においても予選で使うシステムを体験できるようにしました。今年度も一部の受講者はこちらの用意した問題をほぼ全て解いてしまうなど熱心に受講をしていました。
8月23日(月)の初級編終了後、情報オリンピック日本委員会理事長の筧捷彦先生からの受講生への一言動画を遠隔会議システムで再生・配信し、情報オリンピックへの参加が呼びかけられました。
浜松ITキッズプロジェクト
浜松ITキッズプロジェクトは、浜松市が「学術都市+IT都市」として発展するために、市の将来を担い、地域産業の発展に貢献する人材を育成するために行われています。静岡大学情報学部はこのプロジェクトを後援しています。本プロジェクトの運営やカリキュラムについて検討する「浜松ITキッズプロジェクト推進会議」には、塩見教員が副座長として、遠山室員が監事として参加しています。
天竜浜名湖鉄道フォント制作プロジェクト
本プロジェクト(杉山岳弘研究室)は、日本の原風景が多く残る地方のローカル線「天竜浜名湖鉄道」に残されている、昔ながらの趣ある手書き看板の文字をテーマに、文字も一つの文化財として捉え、デジタルフォントという形で再デザインし、広く告知するとともに地域活性化のため活用していくことを目的としています。2019年度から企画を始め、天竜浜名湖鉄道株式会社と株式会社モリサワと連携して、2020年10月に「ひらがな」まで制作し、2021年2月までに、176文字(ひらがな、カタカタ、数字、一部の漢字)を制作しました。2021年2月には普及のための小冊子である天浜線フォント帳を作成し、2021年度の夏には、さらなる普及と活用を目指して、キャンペーンとして「天浜線フォント 夏まつり2021」を開催しました。さらに、天浜線フォントの制作も進めており、駅名で使われている漢字、小学校低学年で習う漢字を972文字開発しました。2022年1月31日までに天浜線フォントのダウンロードは1万7千件を超えて、多くのユーザに使われています。
なお、本事業は令和2年度および令和3年度の地域連携応援プロジェクトの採択事業です。また、先端情報学実習の一環でもあります。
- ▪ 2021年12月17日 静岡第一テレビ everyしずおか天浜線フォント特集放映,古い駅名看板の手書き文字をデジタル化「天浜線フォント」静大生の挑戦
- ▪ 2021年12月10日 静岡新聞,静大生有志制作「天浜線フォント」改訂漢字など972文字を公開
- ▪ 2021年9月6日 womo、スタンプラリーとSNSシェアで楽しむ「天浜線フォント 夏まつり2021」
- ▪ 2021年8月24日 静岡新聞朝刊(21)中部版 天浜線フォント普及へ企画
- ▪ 2021年8月8日 中日新聞朝刊(10)県内 天浜線フォント巡る鳴る 駅名看板 写真をシェアしよう
- ▪ 2021年5月8日 静岡新聞朝刊(20)地域 西 静岡人インタビュー「この人」 津田茉美さん 「天浜線フォントプロジェクト」の発起人|あなたの静岡新聞
- ▪ 2021年5月7日 共同通信社Web記事,ローカル鉄道の文字電子化 学生ら「沿線の風景残す」
- ・天浜線フォント夏まつり2021
http://www.hama365.info/tenhamasenfont/festa.html - ・天浜線フォントWebページ
http://www.hama365.info/tenhamasenfont/ - ・FONT SWITCH PROJECT「静岡大学×天竜浜名湖鉄道 天浜線フォントプロジェクト」
https://fontswitch.jp/post/6043 - ・電子版 天浜線フォント帳 (Catalog Pocket)
https://www.catapoke.com/viewer/?open=0f299&lang=ja
キャリア教育に対する協力(浜松市立追分小学校)
浜松市立追分小学校の6年生児童約30名に対して、遠山室員が、キャリア教育として大学教員の仕事紹介や研究内容の紹介を行いました(2021年6月10日)。
注:写真は 追分小ホームページ より許可を得て転載
静岡県校長会理事研修会
静岡県校長会から依頼を受け、静岡県校長会理事研修会にて遠山室員が講演を行いました(2021年6月18日)。研修会は静岡県教育会館で開催され、県内小中学校で校長をお務めになっている先生方24名が参加されました。研修は二部構成であり、遠山室員は第二部を担当しました。講演テーマは「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた、GIGAスクール構想の具体的在り方について」でした。
浜松市立追分小学校での学生ボランティア活動
静岡大学情報学部では、専門であるプログラミングやICT活用の知見を活かして、地域の学校でボランティア活動を行っています。7月には浜松市立追分小学校を訪問し、ボランティアの学生13名が追分小の全学年児童に対して、のべ9時間(3日間)をかけて、1人1台端末を活用したプログラミング体験を提供しました。
掛川市教育委員会主催 令和3年度教職員指導技術研修
掛川市教育委員会から依頼を受け、令和3年度教職員指導技術研修(小学校でのプログラミング教育の研修会)全2回に遠山室員が講師として協力しました。
1回目(7/26)は掛川市立和田岡小学校を会場として、遠山室員より、小学校でのプログラミング教育の基本的な考え方についての講演、及び小学校算数科におけるプログラミングの体験が3種類提供されました。当日は掛川市立和田岡小学校ほかの先生方11名が参加されました。
2回目(8/2)は掛川市立千浜小学校を会場として、遠山室員より、小学校でのプログラミング教育の基本的な考え方についての講演、及び小学校6年生理科における、電気の効率的な利用を行うことを目指したセンサーを活用したプログラミングの演習が提供されました。当日は掛川市立千浜小学校ほかの先生方13名が参加されました。
静岡県教育委員会 ふじのくに学校教育情報化推進計画策定委員会
静岡県教育委員会「ふじのくに学校教育情報化推進計画策定委員会」に、小西教員が委員として、遠山室員が副委員長として協力しています。本委員会の役割は、令和4年度から令和7年度までの4年間について、静岡県の学校教育の情報化の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、学校教育の情報科の推進に関する計画を定めることです。第1回会議は8月12日にオンラインで開催されました。
スズキとの共同研究「“まぶしい”ときの脳活動」(宮崎真研究室)
情報学部の宮崎真研究室 (筆頭著者:吉岡大貴さん・創造科学技術大学院) は、スズキ株式会社の恩田和征さん・赤池早紀さん・堀田英則さんらのグループ、上武大学の竹内成生准教授との共同研究により、強い光を受けて「まぶしい」と感じているときの脳活動の過程を脳波計測により明らかにしました。本成果は、2021年8月16日に自動車技術会論文集52巻5号でオンライン刊行されました。
<論文URL (無料で閲覧できます)>
https://doi.org/10.11351/jsaeronbun.52.1006
<本成果は以下のメディアで速報されました>
- ▶静岡新聞2021年8月17日朝刊25面『まぶしいときの脳反応は 静岡大とスズキ 解明』(下記のURLでオンライン記事を無料で閲覧できます)
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/946422.html - ▶中日新聞2021年8月17日10面『まぶしさ感知 脳の部位 特定 静岡大とスズ共同研究』
- ▶日刊工業新聞2021年8月17日7面『まぶしさ感じる脳活動 解明 メーター開発に応用』
- ▶Yahoo!ニュース <経済> 8月18日配信『スズキが解明したまぶしさを感じる脳の過程。研究成果を何に生かす?』(日刊工業新聞系オンラインメディア・ニュースイッチからの転載)
https://bit.ly/3xTYNyc
https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=7422
静岡県教育委員会主催 令和3年度GIGAスクール構想とICT機器を活用した授業改善実践研修
静岡県教育委員会から依頼を受け、「GIGAスクール構想とICT機器を活用した授業改善実践研修」に遠山室員が講師として協力しました(2021年8月17・18日)。本研修は対面での実施が予定されていましたが、緊急事態宣言が出たために急遽オンラインでの開催に切り替えられました。
研修では遠山室員が、新学習指導要領で求められている「主体的・対話的で深い学び」による授業設計について整理した後、GIGAスクール構想による1人1台端末の活用方法の考え方を講演しました。また、クラウドサービスを使用して参加者の先生方がオンライン学習を体験する時間も設けました。本研修には県内全域の小中学校・特別支援学校の先生方37名が参加されました。
静岡県教育委員会主催令和3年度小学校におけるプログラミング教育実践研修
静岡県教育委員会から依頼を受け、「小学校におけるプログラミング教育実践研修」に遠山室員が講師として協力しました。本研修は対面での実施が予定されていましたが、緊急事態宣言が出たために急遽オンラインでの開催に切り替えられました。
研修では遠山室員が、新学習指導要領で求められている「主体的・対話的で深い学び」による授業設計について整理した後、小学校でどのようにプログラミングを活用した教育が求められているのかを講演しました。また、クラウドサービスと1人1台端末を使用して参加者の先生方が協働的なプログラミング学習を体験する時間も設けました。本研修には県内全域の小中学校・特別支援学校の先生方24名が参加されました。
令和3年度磐周教育研究会情報教育研究部 夏季研究講座
磐周教育研究会情報教育研究部から依頼を受け、同組織が主催する夏季研究講座にて遠山室員が講師をつとめました。講座には磐周地区の小中学校に勤務されている先生方55名がオンラインで参加されました。研修ではGIGAスクール構想による1人1台端末の活用方法やプログラミング教育の方法について、体験をまじえながら講演を行いました。講座は磐田市立豊田中学校よりオンライン配信されました。
静岡聖光学院中学校・高等学校 ICT公開研修会
静岡聖光学院中学校・高等学校で開催されたICT公開研修会(ハイブリッド開催)にて、遠山室員がパネリストを務めました。パネルディスカッションは静岡聖光学院中学校・高等学校 副校長の田代氏による司会で進行され、なぜ今学校でICTの活用が求められているのか、ICTの活用を推進するために何が求められているのかが議論されました。パネリストは静岡聖光学院中学校・高等学校 校長補佐の田中潤氏、静岡県立清水東高等学校教諭の藤澤徳芳氏と遠山室員の3名でした。参加者は静岡県内外から約90名が集まり、このうち約30名がオンライン参加でした。
情報処理学会 高校教科「情報」シンポジウム2021秋
「高校教科『情報』シンポジウム2021秋」の実行委員長を遠山室員が務めました(2021年10月9日)。本シンポジウムは、大学入学共通テストに2025年以降「情報」が出題されることが決まり、2022年度からの高等学校での新学習指導要領による「情報Ⅰ」の実施が待たれる中で、情報科の教育の在り方について議論するために実施されました。
シンポジウムでは5名の方から講演をいただきました。このうち1名である静岡県教育委員会 教育監の塩﨑克幸氏からは、「情報教育を取り巻く静岡県の状況」という演題で、県内のICTを活用した教育推進のための各種取り組みを紹介していただきました。
シンポジウムはオンラインで開催され、常時200名以上が参加する会となりました。
浜松市立雄踏小学校での学生ボランティア活動(オンライン)
静岡大学情報学部では、専門であるプログラミングやICT活用の知見を活かして、地域の学校でボランティア活動を行っています。10月14日には浜松市立雄踏小学校と静岡大学情報学部をテレビ会議システムで接続し、ボランティアの学生8名がパソコンクラブの4年生~6年生約50名に対して、プログラミング講座を提供しました。この活動では、ボランティアの学生が動画教材を作成し、当日の進行も学生が行いました。
本実践の様子は2021/10/16静岡新聞朝刊21ページに掲載されました。
GIGAスクールの良さも課題も忘れない!ミニシンポジウム
「GIGAスクールの良さも課題も忘れない!ミニシンポジウム」(後援:静岡大学情報学部 地域連携推進室)の実行委員長を遠山室員が務めました(2021年10月24日)。本シンポジウムは、GIGAスクール構想による1人1台端末の配備が進み、緊急事態宣言下での端末持ち帰りの在り方が議論となる中で、ICTを活用した学校教育の在り方について議論するために実施されました。シンポジウムでは静岡県内の小学校・中学校・高等学校の先生方4名から講演をいただきました。シンポジウムはオンラインで開催され、地域の学校の先生方や学生12名が参加しました。
静岡県立浜松湖南高等学校との連携協定締結
静岡県立浜松湖南高等学校と静岡大学情報学部は、高大連携の精神に則り、両者の目指す先端的な教育研究を実現するために、教育研究協力に関する協定を締結しました。期間は令和3年11月1日から令和6年3月31日までです。協定の主たる目的は、静岡県教育委員会高校教育課「新時代を拓く高校教育推進事業」(令和3年度~令和5年度)における「普通科改革(オンリーワン・ハイスクール)事業」のうち「アカデミック・ハイスクール」として採択された静岡県立浜松湖南高等学校の教育計画を実現するために、静岡大学情報学部が協力することです。
初年度である令和3年度は、「高大連携出張講座」として杉浦彰彦教員が講義を行いました。
川根本町の観光地:寸又峡向けの「ナゾ解き」ゲーム実証実験と川根高校「情報」での交流
しずおか中部連携中枢都市圏地域課題解決事業の支援を受け、2020年度に川根高校の生徒が総合的学習や課外活動等を通じて、地域の魅力をより主体的に発信できるための基盤を構築することを目標に、スマートフォン・アプリLINEBotを用いた「謎解きゲーム」のプロトタイプ制作を実施した。また、プロトタイプには、川根高校の生徒が検討・考案した観光客向けの寸又峡を題材とした謎解き問題(「ナゾ」)を実装した。
これらを引継ぎ、2021年度は、2020年度に制作したスマートフォン・アプリの「謎解きゲーム」のプロトタイプを用いて、寸又峡の観光活性化を目指した実証実験を実施した。また、その過程で観光客から取得したアンケートデータの分析を実施し、川根本町観光課や川根本町町づくり観光協会に分析結果をフィードバックした。さらに、静岡県立川根高校の教科「情報」の中で生徒と交流を実施し、川根本町寸又峡の観光客に関するデータ分析を実施し、相互発表を行った。
本事業の研究の実施に際しては、川根高校、川根本町教育委員会と協働するほか、川根本町観光課、川根本町町づくり観光協会の協力を得た。
「地域DX推進シンポジウム-コロナ禍を越えてその先へ。」の開催
2021年11月25日(木)に、「地域DX推進シンポジウム-コロナ禍を越えてその先へ。」(主催:静岡大学情報学部)が開催されました。本シンポジウムでは、浜松市長・鈴木康友氏をキーノートスピーチに招いて「デジタル・スマートシティ構想」について紹介いただくと共に、静岡大学の教員スタッフとのパネルディスカッションから、自治体・企業・市民が地域で同時にDXを推進していくための方策を探りました。
地域連携推進室はこのシンポジウムの運営に協力しました。
中高生向け競技プログラミング講座(浜松市と大学の連携事業)
2021年11月27日(土)に、静岡大学情報学部の学生が「浜松市と大学の連携事業」の一環として、競技プログラミングの講座を浜松市南部協働センターで開催しました.講師は静岡大学プログラミングサークル「SZPP」の渡邊 時覇さん、梶原 聖矢さん、中村 光伴さん、見矢木 啓太さん、渡邉 嶺王さんが務めました.仲田 明良さんは講座資料作成に協力しました.
SZPPの学生は、初心者であっても競技プログラミングの魅力に触れてもらうことを目標に掲げて、小学校でも活用されているブロックプログラミング環境「Scratch」を用いて講座全体を設計しました.また、提出されたプログラミング作品の正誤判定等を自動的に行う「コンテストサイト」は、サークルメンバーが独自に開発した環境を使用しました.
- ▪ 「プログラミング 静岡大生が指導 小中高生、楽しさ体験 浜松」静岡新聞web版、2021年11月30日(https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/992973.html)
藤枝市主催プログラミングキャンプへの協力
2021年12月11日~12日、および18日~19日の日程で2回開催された、藤枝市主催プログラミングキャンプ(藤枝市・島田市在住の中学生対象)にて、遠山室員が総評を担当しました.また、情報学部学生6名が中学生の学習支援を行うために協力しました。プログラミングキャンプにはのべ30名以上の中学生が参加しました。中学生は数名ごとのグループに分かれて、地域課題を解決するロボットを構想し、ロボットを動かすためのプログラムを実装しました。
小学生を対象としたプログラミング講座の開催
2021年11月から2022年1月にかけて、遠山室員が、近隣の小学生を対象とした無料プログラミング講座(全5回×2期)を静岡大学にて提供しました。この講座は静岡大学男女共同参画推進室による研究助成「ジェンダーによる学びづらさを解消するプログラミング教材の開発」の一環として実施されました。講師は遠山室員が務め、情報学部生2名が支援を行いました。講座には8名の児童が参加して、Scratchを用いて自由なテーマで作品を制作し、発表会を行いました。
「ほそえで暮らそうマップ」制作プロジェクト~在宅で暮らしを続けられる支援のための社会資源マップのデジタル化~
本プロジェクト(杉山岳弘研究室)は、地域包括支援センター細江と聖隷クリストファー大学と共同で、細江町のケアマネージャーや高齢者の方が、地域の社会資源や防災情報を在宅や出先でも確認できるWebアプリを開発することを目的としています。2020年度は「いなさで暮らそうマップ」を制作しており、その継続として細江を対象として新たに開発し、2022年3月28日に公開しました。
- ・細江で暮らそうマップ
https://www.sugilab.net/hosoe-map/ - ・参考:いなさで暮らそうマップ
https://www.sugilab.net/inasa-map/
WRO Japan 2022 決勝大会
WRO (World Robot Olympiad) は、小中高校生を対象としたロボットプログラミング技術を競う大会です。この全国大会が、2022年8月に浜松市で開催される予定です。WRO Japan 決勝大会 in 浜松の準備と運営を行う実行委員会には、塩見教員が会長として、遠山室員が委員として参加しています。
情報学部の地域連携科目
地域コミュニティ論/演習
本科目では、人間集団や社会・文化の成立、歴史と深く関わるコミュニティ概念について、社会科学の理論や方法を踏まえて学んでいます。日常に身近でありながら「遠い」存在にもなっている対象や場(災害、家族、地域社会、祭り、市民協働、NPO、職場)を取り上げ、その具体例を通してコミュニティをいかにデザインするかを考えていきます。その中で、地域コミュニティの実態を学ぶためにフィールドワークを行い、コミュニティの今日的課題を把握していきます。特に、浜松市市民協働センターや浜松まつり会館といった学外のフィールドに赴き、調査や観察を通して情報収集を行なっています。
都市・地域政策論/演習
都市・地域における行政、産業、生活を支える政策の実際を、問題発見・問題分析・問題解決型の手法により学びます。授業では、浜松市西部清掃工場、カワイ楽器竜洋工場、遠州鉄道などを訪れ、観察と職員・従業員による講義から、都市・地域政策の実態を理解していきます。また、学期後半の数週間を使って、自分たちで都市・地域政策に関するテーマを決めて調査・報告するプロジェクト型のグループワークを実施しています。調査では、行政、企業、NPOなど、地域の皆さまに学生によるインタビューやフィールドワークにご協力いただいています。
自治体行政論
本科目では、行政組織の構造や行政組織が今日おかれた状況を踏まえたうえで、具体的な行政施策等と行政課題を学んでいます。また、都市自治システムに関する理論なども取り上げ、行政職員へのキャリアを展望する受講生の学習について支援を行っています。その中で、本学部卒業生を含む行政職員などの方々をお招きして、それぞれの経験に基づいた講義をしていただき、行政職員の仕事について学生に考えてもらっています。
フィールドリサーチ
本科目では、「社会調査法」等で学んだ諸技法を活かして、調査を企画・実施できる力を身につけるととともに、調査対象者(協力者)に対する共感性を養うことを目標にしています。学生は、地域調査を実施し、行政、企業、地域・住民組織、NPO等、さまざまな分野で活躍しておられる地域の方々にインタビューを行っていきます。近年は防災・災害対策をテーマに、聖隷浜松病院、静岡県浜松土木事務所、浜松市危機管理課等にご協力いただき、調査を実施しました。
コミュニティ・地域再生論
本科目は、これまでコミュニティ系の科目で学んできたコミュニティ・デザインや都市地域政策に関する知識や社会調査の手法を用いて、実際に、コミュニティや地域社会の課題や問題に関する具体的な政策提案、実践を行っています。浜松市における、住民組織や行政、企業、NPOといった地域における様々なアクターと連携し、情報技術の活用やアクションリサーチなどの手法を用い、地域やコミュニティの抱える課題や問題解決をめざしています。これまでに、浜松市肴町の自治会・発展会(商業地域)や中澤町の自治会・NPO(住宅地域)等と連携し、町歩き、地域の状況についてのヒアリング、店舗や住民へのヒアリングや交流などを行い、地域再生のための提言を行っています。
博物館実習
博物館学芸員資格取得のための科目であり、博物館資料の収集、保管、展示、調査研究、その他博物館学芸員の諸業務を実際に体験することで、理解を深めます。学内実習では、絵画、工芸品等の日本美術の作品を用い、その取り扱い、調査研究等について実習します。また学内における小展示を企画、実施します。見学実習では、7か所以上の博物館施設等の見学を実施し、うち2~3か所についてはバックヤードを含めた見学を行います。
インタビュー・スキルズ
この実習では、社会や地域の課題を社会調査を通じて理解し、情報の発信者としての視点や素養と、社会に対して情報発信していくための知識と技術を実践的に学びます。学生は、実社会の問題を取り上げて社会調査を行い、自らの問題意識に基づいて情報を構成し、メッセージを込めたメディア作品を制作していきます。近年は、浜松市内の建築・不動産会社、子どもと家族の支援活動をしている一般社団法人、飲食店、写真館などにインタビュー調査を実施して、ドキュメンタリー映像を作成しました。
地域情報マネジメント
生活、文化、政策、産業、まちづくり、防災など、地域に関連する情報をマネジメントするために必要な社会的・経営的・技術的な知見や方法について学び、それらを地域において応用・実践できる総合的な能力を養うことを目的とした科目です。地域に関るさまざまな情報をいかに収集して利用可能な形にし、社会や産業の活性化に活かしていくことができるのかを学習します。2021年度は、静岡県と浜松市の協力のもとアイデアソン&データソン2021と合わせて開講しました。受講者は、点群データの利活用をテーマとして、身近な課題を解決するために、データとその利活用方法について考案しました。
知的情報システム開発
本科目の前半では、現在注目されている企業活動におけるデータ分析の活用と、データを活用した情報サービス構築の方法について学んでいます。企業の第一線で活躍されているプロフェッショナルから講話をいただいており、現状の成果、課題、新たな技術や応用の動向などについて知見を得ることができます。また、後半の授業では、ユーザ評価を中核とするデザイン思考型の情報サービス計画手法に関する講述に加えて、地域企業を訪問し、その企業の技術者を交えて運輸サービス提案の発表討論を実施しています。
情報学特別講義Ⅰ
本科目では、企業、行政、メディアなど、特に地域情報化の現場で生じている現象や課題を知り、それに応えるためにどのような形で情報学を深めるべきかについて理解を深めていきます。そのために、情報化の最前線に対応する企業や自治体で働く方々に、それぞれの現場の実態と課題をお話しいいただいています。近年は、静岡県を代表するメディアである静岡新聞・静岡放送の方々を講師としてお招きし、メディアの現場における業務の実態や課題について講義していただき、地域メディアの実態の意義と役割についての理解を深めています。
わが街・浜松の市政
全学教育科目の一つであるこの授業では、浜松市の職員を毎回講師に招き、浜松市の現状や課題、市の施策について学んでいきます。都市計画、産業、育児、防災、環境、多文化共生、行財政改革など、様々な分野において現場に携わっている方々の話を聴くことで、私たちの生活に密接に関わる地方行政の実際について理解を深めることができます。