静岡大学情報学部の教育
3学科体制による文工融合
情報社会・情報技術の急速な進展に伴い、新たに必要とされる人材を育成するために、3学科体制で教育を行っています。3つの学科は、コンピュータ科学、情報サービス設計、情報社会デザインという中心テーマを持ちながらも互いに連携し、技術の観点(情報科学科)から、データやサービスの観点(行動情報学科)から、社会や人の観点(情報社会学科)から、文工融合の情報学を教授し、高度情報社会をリードする多様な人材を育成します。
入試からカリキュラムの構成
全学教育科目とは
豊かな人間性を育む
静岡大学に入学した全学生が履修する「全学教育科目」は、狭い専門性だけにとらわれることなく、幅広い知識、広い視野、豊かな人間性などの「教養」を身につけるためのものです。「教養」をしっかり身につけることで、豊かな人生を送ることができると同時に、社会の中で自分がどのような生き方をしたらよいかを判断することができるようになります。
情報学部共通科目とは
基礎知識・技能を身につける
情報学部の全学生の必修科目として、情報モラル、情報学基礎、情報処理基礎を学びます。さらにネイティヴ・スピーカーによる実践的英語、レポートや論文の書き方に役立つ日本語の技法を学び、表現能力を高めます。
情報学部共通の授業科目
データ処理演習
この授業の目的は、新入生がデータの意味をきちんと理解した上で基本的なデータ処理について学び、図表やグラフの作成ならびに検定などの統計処理の⼿法を体験することです。講義と演習を組み合わせることで、受講⽣は数理データサイエンス教育の初歩段階の技能と考え⽅を習得することができます。データを把握する・整理する能力の育成に重点を置きながら、読み取りやすく「魅せ」たり統計的に処理したりする能力も培う点が特徴と言えるでしょう。
コミュニケーションスキルズ
「コミュニケーションスキルズ」を担当するネイティヴ・スピーカーの教員は、これからの国際社会に欠かすことのできない言語運用能力と実践的なコミュニケーション能力を鍛えてくれる頼もしい先生方です。リーディング、ライティング、スピーキング、リスニングという基本的なスキルを向上させるだけではありません。日本や世界の最新トピックについて英語で議論することを通じて、その文化的・社会的な背景まで学ぶことができるのもこの授業の魅力です。
プログラミング
「プログラミング」ではプログラムを記述するための言語、プログラムの流れの表現方法などを含むソフトウェアの作り方を基礎から学びます。講義だけでなく実際にパソコンを使う演習を中心に「頭で学び、体で感じる」ことで、初心者でも着実に身につけていくことができるよう工夫されています。
情報セキュリティと法制度
情報セキュリティは、コンピュータやネットワークを安心・安全に利用するために不可欠のキーワードです。この授業では、暗号やユーザ認証など情報セキュリティの技術について学ぶとともに、プライバシー保護や知的財産権など法的問題についても講義します。情報学部のすべての学科の学生が、情報セキュリティに関する技術の基礎を身につけ、技術を社会に応用する際の課題についても考察を深めることができる、情報学部の「文工融合」を象徴する科目の一つと言えるでしょう。
カリキュラムの特徴
情報科学科
情報科学の進化は急激で、その領域が爆発的に広がり続けています。情報科学科では、この進化に対応してカリキュラムを発展させており、コンピュータ科学を軸に、最先端の情報科学も横断的に学ぶことができます。 情報の数理的側面の学習から始め、IT 技術の中核要素(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データベース)は少人数グループワークでの実験・演習を通じて理解とスキルを深めます。卒業研究を核とするエッセンシャル科目では、知識の活用能力、批判的・論理的思考力、課題探求力、問題解決力、コミュニケーション能力などの総合的な育成を行い、高度な研究開発 にも従事できる応用力の修得を目指します。学生の半数が大学院に進学しています。
行動情報学科
行動情報学科では、情報社会における 基礎素養としての様々な IT スキルをはじ め、情報システムでイノベーションを起こす IT システム開発力や、データを読み 解くためのデータ分析力、そして世界に 通用するマネジメント力を学びます。
また、アクティブラーニングや PBL (Project-Based Learning) によって、 文系・理系にとらわれない実践的な学びの機会から課題解決の実践力を培っていきます。
そして卒業研究では、幅広い専門分野を持つ教員が指導を行い、最先端の研究領域や分野融合的な新しいテーマに取り組みます。また、企業勤務経験を有する教員も在籍し、実社会に直結した研究と 卒業後の進路に関する指導が受けられま す。
情報社会学科
情報社会学科では、人文社会科学の様々な分野から「情報」について学べます。具体的には「メディア/コンテンツ」「コミュニケーション/言語」「ソサエティ/公共」「コミュニティ/ライフ」という4つの系が用意されており、自身の関心に応じて、様々な系を幅広く学んだり、特定の系を集中的に学んだりできます。
また、情報社会学科では、学科専門のデータサイエンスに関するカリキュラムも用意されており、情報社会の分析に必要な数理系のスキルも無理なく学ぶことができます。さらに、他学科との共通科目などを通じて、情報技術に関する知識も得られます。
興味・関心や将来目指す進路に応じて学び方も「デザイン」できる点が特徴です。