後藤謙太郎
研究概要
製品開発などを行う実務現場では、イノベーションを創出することが重要な課題となっています。イノベーションの創出のためには、企業、大学、公的機関等が多様性を確保しながら相互に連携して価値を共創する社会を目指すことが重要であると考えられています。
後藤研究室では、共創を創出し、新たな製品または事業に繋げるための実践的方法、理論の開発についての研究を行います。そして、学術・実務の両方に貢献することを目標に研究を行っていきます。
実践的方法の開発(現場調査)
企業、病院などと共同研究として現場調査を行うことによって、製品開発、事業開発、に繋がる実践的方法の開発を目指します。
実践的方法の開発を行う際に、実務者が実務現場で生成する実践知を研究対象とします。そして、組織学習論、組織変革論の観点から、このような実践知がどのように実務現場で生成・変容・形成されるかについて、明らかにすることを試みます。
現場調査の結果を基に開発した実践的方法を様々な現場に積極的にすることで、その開発した方法の有効性および限界を検証していきます。また、十全には、適用できない現場の場合は、その現場に適した実践的方法に改良していくことで、少しずつ理論拡張を試みます。
実務現場で製品開発を促進する方法として、ACDPサイクルを提唱しています。このモデルは、生産現場で取り入れられているPDCAサイクルのように計画から始めるのではなく、実務者が行動(Action)から始めることにより、実践または製品を制作することを企図したモデルです。このACDPサイクルは、ACDPサイクル1とACDPサイクル2で構成されています。ACDPサイクル1のモデルは、コンセプトが決まっていない初期段階において、製品開発のための実践(Practice)の創出を企図したモデルです。次に、ACDPサイクル2のモデルは、開発の方向性がある程度見えている段階において、新たな試作品または製品の制作(Production)を行うことを企図しています。
共創の創出
研究概要でも述べた通り、イノベーションを創出するためには、価値を共創する新たな産学連携を構築することが重要だと考えられています。そのような社会を実現していくためにも、実務現場では共創を創出するための方法論が求められています。
後藤研究室では、現場調査を通して、実務現場でどのように共創が創出するかを明らかにします。そして、そこから得られた知見を基に実務現場で共創を創出する実践的方法の開発を目指します。
地域DX(デジタルトランスフォーメーション)の促進
DXを促進するためには、実務実践に埋め込まれた実践知を掘り起こすことが重要となってきます。組織学習論、組織変革論、知識経営論という観点から、どのように実務実践が行われているかを明らかにし、実践知の掘り起こしを行います。そして、得られた知見を基に、ITシステムの活用を検討し、実務現場でDXの促進を行っていきます。また、地域企業との連携を行い、地域DX促進に繋がる研究を行っていきます。
教員/研究室の独自ページ
https://goto-lab-shizuoka-univ.studio.site/