丸山友美
研究概要
人と番組のネットワークから,初期テレビドキュメンタリー史の複数性や重層性を描出する「制作文化研究 Production Studies」に取り組んでいます。現在は,フェミニスト・エスノグラフィーを用いて,1945年から1960年代頃に活躍した女性制作者たちにインタビュー調査を実施して,日本におけるFeminist Production Studiesの可能性を探っています。
ローカル放送局におけるテレビドキュメンタリー制作の文化研究
戦前・戦後を通じてNHK大阪放送局(以下JOBK)で形成される「上方」放送文化の展開を,「Production Studies 制作文化研究」の視角から明らかにしようとする研究です。この目的を達成するため,関東・関西にてJOBK史にかんする紙資料および番組資料の調査とインタビュー調査に取り組んでいます。現在は特に,女性制作者たちに焦点を当てて日本における「Feminist Production Studies」の可能性を模索しています。
ラジオ塔から探る放送文化の成立
日本放送協会/NHKを中心に形成されるナショナルな放送文化の展開を放送と聴衆を結びつけた「ラジオ塔」というメディア遺構に着目し,放送内容に直接関わらない〈放送人〉の活動から論じることを目指して取り組んでいる研究です。ラジオ塔というモノに着目することで,現代に続く放送のナショナリティとローカリティを巡る問題の通史的観測が可能になるだけではなく,放送史全体の再検討を可能にする分析視座を提示したいと思っています。
テレビアーカイブに見る障害者イメージと社会的包摂の実践
テレビの描いた障害者表象の変遷を検証することで,社会的包摂の理解とその実現がいかに歴史的社会的に展開してきたのか明らかにしようとする研究です。テレビの描いた障害者イメージと私たちの障害者認識がどう結びつき,また変容してきたのか明らかにするために,「放送ライブラリー」(横浜市)などのアーカイブ施設を活用したドキュメンタリー番組の見直しと映像分析に取り組んでいます。
教員/研究室の独自ページ
JOBKの放送記念1周年ポストカード
静岡市・清水山公園に残るラジオ塔