2017.08.09情報科学科 峰野研究室がAIによる植物萎れ具合予測に成功し、報道されました。
お知らせ詳細

※新聞記事は、新聞社の許諾を得て転載しています。
(2017年8月2日朝刊30面)。
■静岡新聞SBS「@S」
http://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/386930.html
■Yahoo! JAPAN ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170802-00000001-at_s-l22
例えばトマトの養液栽培において、ストレスをかけると高糖度なトマトを収穫できることが知られていますが、緻密な潅水制御が重要なため熟練農家の匠の技の結晶でした。高齢化による熟練農家のリタイヤや、気象変動による周年生産の不安定性,労働の厳しさによる担い手不足という課題に対し、経験と勘に基づいて習得していた熟練農家のノウハウをAI技術によって伝承できる可能性が示されました。
収集容易な低解像度の定点カメラ画像と、環境データ(温度、湿度、明るさ)といった異なるデータを組み合わせて、植物の萎れ具合を表現する特徴量を上手に抽出できる技術を発明し、数時間後の植物の萎れ具合を高精度に予測できるようになりました。これにより、植物のストレス状況に応じた緻密な潅水制御を自動化できるようになり高品質な果実栽培といった農業分野においてもIoTやAI技術を利活用した革新的栽培モデルの確立が期待されます。
本成果に関する論文は国際ジャーナルKnowledge-Based Systemsにて公表されました。
【論文情報】
題名:Multi-modal sliding window-based support vector regression for predicting plant water stress
誌名:Knowledge-based Systems (In Press, Impact Factor 4.529, Q1)
https://www.journals.elsevier.com/knowledge-based-systems
掲載URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0950705117303507
掲載日:2017年7月24日
著者:兼田千雅(静岡大学大学院・H29.3修了),柴田 瞬(静岡大学大学院・修士2年),峰野博史(静岡大学学術院情報学専攻・准教授)
※本研究は,下記補助金の支援を受けて行われました.
・JSTさきがけ『多様な環境に自律順応できる水分ストレス高精度予測基盤技術の確立(研究代表:峰野博史)』
(課題番号:JPMJPR15O5)