2023.07.12DICOMO2023にて情報学専攻の学生4名がヤングリサーチャー賞受賞
お知らせ詳細


(https://dicomo.org/commendation/)
受賞した研究発表は以下の通りです.
●ヤングリサーチャー賞
講演番号:1E-4
発表者: 佐藤 弘毅
共著者: 佐藤 弘毅, 峰野 博史 (静岡大)
題目: 機械学習における時系列データのリーケージに関する一考察
【概要】
機械学習を用いて学習する上で,説明変数に本来ならば使用できない目的変数の有用な情報が漏れることにより,不正に高精度な推定・予測が可能となることをリーケージという.本研究は,時系列データのリーケージを定量的に評価する手法を提案する.通常の分割方法とリーケージする分割方法で機械学習を行い,そのモデルに対してXAIの一手法であるSHAPを用いてリーケージを評価した.通常の分割方法とリーケージする分割方法におけるテストデータの推定根拠となる説明変数の寄与をSHAP値として算出し,それを用いて寄与度分布を作成,統計的仮説検定を用いて比較することで,リーケージの未知データへの適応性を定量化し評価した.検証実験において,本提案手法の有効性を確認できた.
●ヤングリサーチャー賞
講演番号:3E-1
発表者: 足立 量
共著者: 足立 量, 小池 誠, 峰野 博史 (静岡大)
題目: 植物状態を考慮した低段密植養液栽培トマト向け灌水制御の検討
【概要】
栽培中のトマトに適度な水ストレスをかけることで果実の糖度を高める水ストレス栽培において,適度な水ストレスの付与には灌水制御が重要である.灌水制御では,水ストレスの過不足が少なくなるような灌水タイミングに調整する必要がある.この調整は,熟練農家の経験に頼っており,経験が浅い新規就農者にとって困難な作業である.国内の就農者の高齢化・減少もあり,高糖度トマトをはじめとする高品質な農作物の栽培技術を喪失することが懸念されている.よって,安定した高糖度トマト栽培を今後実現するには,新規就農者であっても適切な灌水制御が可能な手法が必要である.本研究では,画像中の物体の動きをベクトル化したOptical Flowを用いて植物の萎れを定量化して水ストレス指標として扱い,適切な灌水制御を自動的に行う技術の実現を目指す.まずは,植物状態を考慮した水ストレス指標sigma_wiltを確立,sigma_wiltに対して高精度な推定を行うモデルを作成した.
●ヤングリサーチャー賞
講演番号:3E-2
発表者: 島田 拓人
共著者: 島田 拓人, 海老沢 源, 小池 誠 (静岡大), 小川 晋 (大和コンピューター), 野村 裕一郎, 峰野 博史 (静岡大)
題目: 時系列栽培データ収集システムの開発
【概要】
農作物の生育情報は農作業の評価や効率化に不可欠だが労働力の減少により収集が困難である.栽培のための環境制御や労務自動化や効率化を行う無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle: UAV)を用いた方法も提案されているが,個々の作物の状態を把握するのは難しいといった課題がある.本研究では,温室メロンを対象とし,個々の株の外観や環境データを自動で収集できるデバイスPiNode2を開発し,実圃場下で運用を行った結果を紹介する.運用を通して収集されたマスクメロンの栽培データを分析することによって,マスクメロンの栽培時の生育把握に用いられる葉の萎れや生長点の揺れ,網目の形成などの細かい変化を捉え定量化できることを確認した.また,これら栽培特徴データから環境データとの関係を分析することで,環境制御へのフィードバックも可能であることを確認した.
●ヤングリサーチャー賞
講演番号:3G-4
受賞者: 瀬川 佳祐
共著: 瀬川 佳祐, 宇佐美 拓真, 曽根 卓朗, 木谷 友哉 (静岡大)
題目: 即時性と観測精度を考慮した高精度衛星測位を用いた地すべり監視システムの提案
【概要】
近年,集中的な豪雨や人為的な土木工事の影響で地すべりによる被害が問題となっている.地盤伸縮計のような従来の地すべり監視技術では,変位の監視を高い空間分解能・時間分解能で行うことができるが,監視可能な範囲が狭いことや地割れ等の地すべり兆候が発生しないと観測が開始できないことなどの問題点が存在する.我々の研究チームでは,広範囲な地すべりを早期から監視することを目的として,高精度衛星測位を用いた地すべり監視手法の研究を進めている.本論文では,速報値と確定値を用いたシステム運用をすることや2つの観測ウインドウで測位使用衛星を統一することで,変位検知の即時性と観測精度を考慮した地すべり監視システムの提案を行う.実フィールドでの評価実験の結果から,速報値による1時間周期の監視では標準偏差約3mmの観測が,確定値による12時間周期の監視では標準偏差約1.5mmの観測が可能であることを確認した.