- 受賞
情報処理学会第87回全国大会にて西田研究室の学生3名が学生奨励賞を受賞
2025年3月13日~15日に立命館大学大阪いばらきキャンパスで開催されました情報処理学会第87回全国大会にて、西田研究室の情報学専攻2年の外處 聖也さん,情報学専攻1年の塚越 駿大さん,情報科学科4年の齊藤 翔さんが学生奨励賞を受賞しました。
各学生が受賞しました研究発表は以下の通りです。
〇外處 聖也,森野 智子,西田 昌史,西村 雅史
「若年者及び高齢者の摂食行動分析」
【概要】
食行動は人間が生きる上で必要な基本的行動の一つである。近年の軟食化や生活習慣の変化により、咀嚼回数の減少や早食いの傾向にある人が増加している。早食いは肥満や生活習慣病に繋がるとされている。また、高齢者は加齢が原因で、口腔機能が低下し、誤嚥性肺炎を発症するリスクが高まる。誤嚥性肺炎は2023年死因6位の重大な疾患である。 本研究では、若年者と高齢者を対象に、咀嚼・嚥下の口腔内
の摂食行動のみに留まらず、食材を摂取する量や回数という口腔外の摂食行動を含めた食行動全体を分析し、摂食行動における加齢の影響について分析を行ったので報告する。
〇塚越 駿大,松田 将典,朝田 圭,石鍋 菜々子,梶原 芳典,山本 泰生,西村 雅史
「Media Pipeを用いた開眼度分析による酔いの評価」
【概要】
飲酒による酔い状態の評価は、飲酒運転の防止や適切な飲酒管理において重要な社会的課題となっている。一般的な評価方法として、呼気アルコール濃度を用いた測定が広く用いられている。この方法は酔い状態を定量的に評価できる一方、専用機器の必要性やコストの問題から日常的な飲酒管理には適していない。また、個人の体質や耐性の違いにより、呼気アルコール濃度の数値が主観的な酔いの程度と一致しない場合がある。近年の画像解析技術の進展により、カメラを用いた生体情報の取得が実用的になってきており、特にGoogle が提供するMediaPipeは、高精度な顔部位検出や手指ジェスチャー認識を実現し、低計算コストでリアルタイム処理が可能である。このような技術的背景を踏まえ、本研究では画像解析技術を活用した非侵襲的な酔い評価手法を提案する。
〇齊藤 翔, 西田 昌史, 綱川 隆司
「スマートグラスのためのCRNによる音声強調を用いた日常生活音の認識」
【概要】
聴覚障がい者は緊急性の高い警告音などを認識できず、周囲の状況を把握するのが困難である。これを支援するために、環境音の中でも緊急の回避や避難を必要とする警告音を識別し、スマートフォンやタブレットなどの端末に通知する研究が行われている。また特定の環境下で事前に登録した環境音を認識し、可視化するシステムの研究も行われている。さらに実時間での処理や雑音環境下での利用を前提として日常生活で発生する音をスマートグラスで認識し、可視化するシステムについても研究されている。従来のスマートグラスを用いた環境音の可視化に関する研究では、特定の環境での利用が想定されている。先行研究では使用されている雑音がエンジン音などの定常雑音であり、日常生活で発生すると想定される非定常雑音環境で用いることが考慮されていない。そこで本研究では、認識処理の前処理としてCRNを用いた音声強調を行うことによって雑音を抑制する手法を提案し、認識精度を向上させることを目的とする。
なお詳細については,今後掲載予定の以下URLよりアクセス下さい.
「情報処理学会全国大会 学生奨励賞(Student Encouragement Award of IPSJ National Convention)受賞者リスト」
(https://www.ipsj.or.jp/award/taikaigakusei.html)