情報学部・情報学研究科では、文工融合の新しい情報学の研究創造を組織として推進するために、学部措置として、学部内に情報学研究推進室を設置しています。
ここには、学外の企業や自治体に席を置く各方面のスタッフが、客員教員として情報学研究に対するアドバイスや研究活動への協力をしています。
地域社会に目を向けた実践的取り組みと大学を拠点とした地域コミュニティ・自治体及び産業界との連帯を重視しています。
室長挨拶
みなさんは「情報学」と聞いて、どんな研究分野を想像されるでしょうか。静岡大学情報学部は、全国初の情報学を専門とする学部として、文工融合の理念のもと、従来の学問分野にとらわれない学際的な学問・研究を目指してきました。新しい情報学の研究創造を組織として推進するために、2004年(平成16)年度から学部直轄の組織として、情報学研究推進室を設置しています。当室では、教員個人の研究を推進する支援事業に加え、専門性の交差により組織として新たな研究分野を生み出すお手伝いをしています。
また、当室には、室長、室員に加え、学外の企業や自治体に籍を置く各方面のスタッフが、客員教員として情報学研究に対するアドバイスや研究活動への協力をしています。AIを始めとした情報技術は、かつてないほど私達の生活に浸透しつつありますが、急速に発達する技術と、社会とは、必ずしも折り合いをつけられている訳ではありません。
情報学研究を通して、社会に受け入れられる技術、技術を包摂する社会を実現することが私達のミッションです。

情報学研究推進室長西垣 正勝
情報学研究の目的
静岡大学は、中期目標・計画において、研究に関する基本的目標として、「基礎から応用にわたり、独創的な研究を推進するとともに、分野を超えた融合を図り、それぞれの学術分野や学際領域におけるトップレベルの研究水準を目指す。」こと、及び「国際的な課題や地域的な課題を積極的に発掘して、その解決を目指した総合的な研究を展開する。」ことを掲げています。
情報学部・情報学研究科は、以上の本学の基本的目標を踏まえ、コンピュータネットワークを中核とする急速な情報化の進展の中で、人間と情報技術が共生する豊かな情報社会の実現を、21世紀の課題として位置づけています。そして、理工系の情報科学・情報工学とさまざまな文系の学問の融合をさせることで、「情報学」という新しい学問体系を創造することを目的とします。
この目的を達成することで、以下の研究成果の創出を目指しています。
- 情報を切り口とした人間や社会のあり方の解明
- 情報と人間・社会のインタラクションの解明
- 情報を活用する技術・方法の基礎的過程の解明
- 情報活用技術・方法の開発
- 情報活用技術・方法を基にした人間社会システムのあり方の提案
情報学研究の特徴
上記の研究目的を達成するため、情報学部・情報学研究科における研究活動の特徴は、以下の通りです。
- 既存の情報科学・情報工学とさまざまな文系の学問とを融合させた研究を行っています。
ただし、全ての研究が、理工系と文系の要素を同程度に持っているということではありません。
実際、かなり理工系よりから文系よりまで、多様なタイプの研究が行われています。そして、それらは何らかの形で融合を示しており、それぞれが新しい情報学を構成しています。たとえば、文工融合によって、単なる情報技術ではなく、人間や社会を見据えた情報技術の開発が可能となります。また、情報技術をふまえた社会のデザインが可能となります。 - 研究者が個々ばらばらに活動するのではなく、組織としてまとまった研究活動を行っています。情報学部・情報学研究科では、組織としてまとまって新しい情報学を創造していくため、後述する情報学研究推進室を、学部措置として設置し、文工融合のプロジェクト研究を推進しています。
- 研究成果を現実の地域社会や国際社会に還元できる実学を基軸としています。情報学部・情報学研究科では、この還元のため、産業界や地域社会との連携に力を注いでいます。
- 融合や実学の土台としての基礎研究にも十分な力を注いでいます。実学を支えるためには、しっかりとした土台が必要です。情報学部・情報学研究科では、基礎研究や若手の研究支援も盛んに行っています。
活動内容
情報学部・情報学研究科の研究グループプロジェクトの支援
学部横断プロジェクト研究
文工融合を理念とする情報学の推進に向けて、多分野にわたる複数の研究者の参加による情報学重点研究プロジェクトを推進しています。
詳しく見る「情報学研究」
情報学部では、学部内の研究成果を公開するために、情報学研究を毎年発行しています。
各号の詳細は静岡大学学術リポジトリをご参照ください。
情報学ワークショップ(WiNF)及び研究交流会の開催
情報学ワークショップの開催支援
東海地域における情報学の発展に寄与するため、同地域の情報系の学科・研究科を持つ大学間で情報学ワークショップ(WiNF)を開催しています。
情報学研究推進室ではこのワークショップの開催にあたり事務局業務や学部内の様々な研究の参加を呼びかけるなど、広く支援を行っています。
情報学研究交流会
情報学研究推進室では、情報学研究交流会を年に6~8回開催しています。情報学研究交流会は、情報学部における研究成果の発表会や、情報学と関連するさまざまな領域の有識者を招いての講演会などとして企画されています。その多くは一般にも公開されていて、一般の皆様にも情報学の広がりを感じ取っていただける場となっています。
詳しく見る産学連携イベントの実施
情報学研究推進室では、情報学研究交流会以外にも、情報学の研究成果を広く社会や産業界に還元するための技術移転を目指したイベントの開催・支援を行っています。
その他の活動
- 外部資金(特に科学研究費)の増強と新たな発掘
- 産学連携共同研究のコーディネート
- 研究成果や新技術の社会への還元の支援
- その他情報学の発展に寄与する事項
客員教授一覧
稲川 尚之
客員教授
株式会社NTTドコモ プロダクトマーケティング本部
チーフ イノベーション エバンジェリスト
今井 悟史
客員教授
富士通株式会社 富士通研究所 データ&セキュリティ研究所 所長
小山田 理佳
客員教授
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
サービス スペシャリスト統括本部
アプリケーション開発技術本部 部長
清本 晋作
客員教授
KDDI総合研究所 情報セキュリティ部門 部門長・執行役員
櫻澤 健一
客員教授
一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター・業務執行理事
塩崎 克幸
客員教授
静岡県教育委員会教育部 教育監
鈴木 勝彦
客員教授
NTTアドバンステクノロジ株式会社
ソーシャルプラットフォーム・ビジネス本部・セキュリティビジネス部門
部門長
鈴木 康友
客員教授
静岡県知事
高地 圭輔
客員教授
総務省 関東総合通信局長
高橋 健太
客員教授
日立 研究開発グループ システムイノベーションセンタ 主管研究員
中野 祐介
客員教授
浜松市長
福島 直央
客員教授
ファストドクター株式会社 執行役員VP of Public Policy公共政策部長
藤田 範人
客員教授
日本電気株式会社 セキュアシステムプラットフォーム研究所 所長
松下 雅仁
客員教授
三菱電機 情報技術総合研究所 所長
吉田 英嗣
客員教授
株式会社NTTデータグループ 技術革新統括本部 グローバル技術戦略推進部長
研究・教育