情報社会学とあなたの感性で
未来をデザインする
新しい情報社会を「デザイン」するためには、社会に関するさまざまな学問分野が必要になります。情報社会学科には多彩な教員が揃っており、それぞれの分野から「情報」について研究しています。その専門は、法学、経済学、社会学、地理学、政治学から、メディア学、文化人類学、歴史学、文学、言語学、さらには哲学、倫理学といった分野にまで広がっています。きっと、自分の興味・関心に合った学び方ができるでしょう。
研究室では、少人数制ならではのきめ細やかな指導を受けることができます。情報社会研究に必要な思考力や技術力、調査・分析能力を高めた上で、各自が設定した研究テーマを徹底的に追究し、その成果を卒業研究としてまとめます。情報社会研究を通じて培った力は、必ずや皆さんが将来を切り拓く助けになることでしょう。
教育理念
社会の情報化とネットワーク化が進み、インターネットを通じた新しいメディアやサービスが登場するなど、私たちの生活はとても便利で快適なものとなりました。その一方で、プライバシー侵害や著作権の問題、人間関係への影響の問題など、新しい問題も次々に生じています。情報社会学科では、情報技術や情報システムの可能性や危険性などを理解した上で、現在の情報社会をもう一度見直し、情報通信技術の発展に対応した新しい情報社会を「デザイン」できる人材を育成します。
カリキュラムの特徴
情報社会学科では、人文社会科学の様々な分野から「情報」について学べます。具体的には「メディア/コミュニケーション」「ソサエティ/公共」「ライフ/コミュニティ」という3つの系が用意されており、自身の関心に応じて、様々な系を幅広く学んだり、特定の系を集中的に学んだりできます。
また、情報社会学科では、学科専門のデータサイエンスに関するカリキュラムも用意されており、情報社会の分析に必要な数理系のスキルも無理なく学ぶことができます。さらに、他学科との共通科目などを通じて、情報技術に関する知識も得られます。
興味・関心や将来目指す進路に応じて学び方も「デザイン」できる点が特徴です。
講義ピックアップ
メディア・コミュニケーション演習
さまざまなメディア現象に目を向け、調査・分析・検証するプロセスを実践的に学ぶ授業です。具体的には、メディアテクストを分析するのに必要な理論を解説したり、分析方法を紹介したりします。このように理論と方法論を学んだのち、グループに分かれて、実際にテレビCMや映像作品、あるいはニュースなどのメディアテクストを分析する演習を行います。この授業は複数の教員が担当しており、それぞれの専門性を活かしたメディアに対する多様なアプローチを学べることも魅力のひとつになっています。このような学習プロセスを通して育まれるのは、メディアの政治的・社会的・文化的な役割をつぶさに観察する洞察力であり、議論に必要な資料を収集・整理・吟味しながらメディアテクストを読み解いていく読解力です。授業は、他者と協働する楽しさや議論する難しさを経験的に学ぶことのできる演習形式で進めます。このようにして「メディア・コミュニケーション演習」では、課題推進力と調整力を養うことも目指しています。

情報と法
情報化社会における情報法に関する基礎知識を学ぶ授業です。具体的には、個人情報保護に関する法律やインターネット規制に関する法律をはじめ、AIと人格権、eコマースに関する法制度や監視社会等についても学びます。他にも、デジタル化の推進に関わる政策事例も紹介することで、理論と実践の両面から理解を深めます。この授業で扱う法律や政策、そして社会問題は、日本国内のものに限りません。ヨーロッパやアメリカ、中国などさまざまな国のものを扱います。「情報と法」では、このように習得した知識を使って多岐にわたる社会問題と向き合う力を養成します。それは例えば、社会問題の解決策を法律の側面から考える問題解決能力であり、多角的な視点から問題の有り様を公正に分析する思考力です。また、私たちの日常生活と関係の深い情報に関する法律を理解することで、情報社会を生きる上で必要な、自分自身を守るための判断力と知識を育むことも目指しています。

社会調査法
社会調査の概念や量的調査と質問調査の方法論を学ぶ授業です。具体的には、調査計画を立てデータを収集したり、集計して分析・考察したりする実習を行います。量的調査のパートでは、グループごとに質問紙を作成して学内調査を行います。私たちが普段何気なく回答している質問紙(アンケート)は、質問文や選択肢の作り方にルールがあります。これを、この授業では実習を通して学びます。質的調査のパートでは、一人ひとりがインタビュー調査とその分析を行います。その際に必要となるインタビュー実施時のマナーや倫理的配慮、そしてインタビューガイドの作成方法を解説します。このように「社会調査法」では、量的なデータと質的なデータの両方の扱い方を学ぶことで、データには特性があることを学びます。こうした学びを通して培われるのは、データを基に現代社会と向き合う思考力であり、社会調査における「データ」がどのように生成されるのか、またそうしたデータにはどんな限界があるのか考察する力です。これらは、さまざまな領域で活用されている社会調査の基盤をなすものです。こうしたトレーニングを経て、フィールドリサーチに出ます。

情報学部共通科目
情報学部の全学生の必修科目として、情報モラル、情報学基礎、情報処理基礎を学びます。さらにネイティヴ・スピーカーによる実践的英語、レポートや論文の書き方に役立つ日本語の技法を学び、表現能力を高めます。
データ処理演習
この授業の目的は、新入生がデータの意味をきちんと理解した上で基本的なデータ処理について学び、図表やグラフの作成ならびに検定などの統計処理の⼿法を体験することです。講義と演習を組み合わせることで、受講⽣は数理データサイエンス教育の初歩段階の技能と考え⽅を習得することができます。データを把握する・整理する能力の育成に重点を置きながら、読み取りやすく「魅せ」たり統計的に処理したりする能力も培う点が特徴と言えるでしょう。
情報セキュリティと法制度
情報セキュリティは、コンピュータやネットワークを安心・安全に利用するために不可欠のキーワードです。この授業では、暗号やユーザ認証など情報セキュリティの技術について学ぶとともに、プライバシー保護や知的財産権など法的問題についても講義します。情報学部のすべての学科の学生が、情報セキュリティに関する技術の基礎を身につけ、技術を社会に応用する際の課題についても考察を深めることができる、情報学部の「文工融合」を象徴する科目のひとつと言えるでしょう。
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教員・研究室卒業後の進路
情報社会学科の研究室出身者の多くは卒業後、情報の共有や創造に関して身につけた能力を活かして、メディア企業や広報・広告の職種、あるいはICT業界に進みます。また社会デザインへの問題意識を発揮する場として公務員や金融機関、運輸・交通業などに進む学生、大学院に進学し、さらに研究を深める学生など、進路は多様です。
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就職実績・支援体制