行動情報学科 西村 崇宏准教授
アクセシブルな情報社会の実現に向けて
情報通信技術(ICT)の発展と普及に伴い、障害のある方や高齢者、子どもを含めたあらゆる人々がスマートフォンやタブレットなどを使って情報にアクセスし、活用する時代になりました。これらのコンピュータはとても便利なものですが、あらゆる人々にとって使いやすいデザインにするためには、ユーザである人の特性を知ることも大切です。
本研究室では、人間工学や感性工学の手法を用いて、情報技術への応用を見据えた人間行動の理解・応用に関する研究に取り組んでいます。他大学の研究室や研究機関、学校現場等と連携し、学際的なアプローチでの課題解決を目指しています。
使いやすいインタフェースデザインを考えるための人の特性評価
タッチパネルやマウス、画面上に表示されるアイコンやスクロールバーのように、ユーザとコンピュータの間に立って情報のやりとりをする接点のことを「ユーザインタフェース(UI)」といいます。ユーザにとって使いやすいUIを設計(デザイン)するためには、人がどのように身体を動かしているのか、何を考えながら操作しているのか、何に心を動かされるのかといった、人がもつ様々な特性を知ることが大切です。また、これらの特性をデザインに反映させるための手法も必要になってきます。
本研究室では、実験計画法や人間工学的手法、感性評価などのアプローチを用いて、インタフェースデザインへの応用を見据えた人の諸特性に関する評価実験を実施しています。
情報アクセシビリティ
情報通信技術(ICT)は、ビジネスや学習、余暇といったあらゆる活動の可能性を広げてくれるものですが、これらの恩恵を得られる人と、何らかの要因で得られない人との間に生じる情報格差が問題になっています。例えば、スマートフォンなどを使ってインターネットにアクセスし,主体的に情報を入手できるかできないかによって、得られる情報量や利用できるサービス、それによって受けられる恩恵が大きく変わってきてしまいます。とくに、外界から多くの情報を受け取る視覚に障害のある方にとって、ICTは大きな恩恵を得られるものである一方、汎用的なUIデザインそのままでは使いにくい場合も少なくありません。なぜなら、私たちが普段何気なく使っているスマートフォンやタブレットは、操作のほとんどを視覚からの情報に頼っているからです。
本研究室では、あらゆる人々がデジタル化の恩恵を受けられるデジタル・インクルージョンの実現に向けて、障害のある方のインタフェースに対するユーザビリティ評価や、それに応じたデザイン手法の検討に取り組んでいます。
学校における教育データやICTの利活用
国が推進する教育DXを実現するための柱の一つとして、教育データの利活用に関心が集まっています。本研究室では、子どもたちの学校生活や学習に関する様々なデジタルデータを効率的に記録し、指導や支援に生かすための方法について、教育分野の研究者や学校現場の先生方と一緒に検討を進めています。
また、障害のある子どもたちの教育活動におけるICT活用についても、特別支援学校の先生方と協働して実践的な研究に取り組んでいます。

西村研究室
西村 崇宏准教授
専門分野
ヒューマンインタフェース、感性工学、アクセシビリティ
主な担当科目
統計学入門、情報拡散過程論